この気位の高い青年は、やがてパリの大貴族の秘書になる。愛する町長夫人と別れて上 京したジュリアンは、貴族の娘マチルドとねんごろになる。
『赤と黒』 という題名の意味について、作者は何も説していない。
ジュリアンが将来就くべき職業として、高位聖職者(赤い衣を着る)と、軍人(黒いマ ントをはおる)を考えているというのが一般に知られている説である。もっとも赤は軍人 の栄光を、黒は聖職者の暗黒の力を示すと考える人もいる。
ルーレット盤が赤と黒に染め分けられているので、ジュリアンの賭に似た人生を象徴し ていると言う人もいる。
この小説には意外な結末が用意されている。
ジュリアンが断頭台で死刑にされるのである。
マチルドは、ギロチンにかけられた恋人の首を大理石のテーブルに据え、その額にキス をする…… 一体、ジュリアンに何が起きたのだろうか。
読み出したら最後、この結末まで一気に読むことになる。
この小説の中のジュリアンは、君達大学生と同じ年齢である。文学を読むことは、人生 について何がしかを学ぶことである。ジュリアンは今だったら大学生であろう。自分の人 生と彼の人生をくらべてみよう。
この『赤と黒』を読了したら、バルザック『ゴリオ爺さん』、 ユゴー『レ・ミゼラブル』、フロベール『ボヴァリー夫人』に挑戦しよう。 19世紀の珠玉のような小説が君を待っている。