そこで、建物の美しさと構造的な合理性をうまく結びつけた建築家アントニオ・ガウデ ィについての本を紹介します。私がこの本と出会ったのは、大学2年生の頃だったと思い ます。当時は、スペインの建築家であるガウディが、かなり脚光を浴びていました。彼の 作品としては、カサ・ミラ、グエル公園、更に現在も建設中のサグラダ・ファミリアなど が有名ですが、いずれの建物も、『ゆるやかな面の集まり』 という第1印象を私は受け ました。ガウディについて知識の浅かった私の第1印象は、非常に貧弱かもしれませんが、 私の生活環境でよく目にする建物とは、明らかに違いを感じました。私は、ガウディがな ぜ建物を 『ゆるやかな面の集まり』 として表現しているのか?という疑問を感じました。 この疑問の答えが、『ガウディの設計態度』 の中に隠されていました。本の内容につい て詳しく紹介してしまうと、皆さんの読書意欲が半減してしまうので、概略だけ紹介しま すと、ガウディが 『ゆるやかな面の集まり』 から建物を作り上げるのは、単なる思い付 きやデザインセンスによるものではありません。自然界に存在する建物が必ず解決しなけ ればならない、重力に対する合理的な設計法の1つとして、彼は 『ゆるやかな面の集ま り』 を用いているのです。彼は有名な 『逆吊り実権』 を何度も繰り返し、彼なりの合理 的な設計を見出したのです。
皆さんも、これからいろんな建物の設計を経験していくと思いますが、単にかたちの美 しさだけではなく、構造的な合理性をも兼ね揃えた建物の設計を目指してください。