第1章の「時間の正体をもとめて」は歴史学者の立場から、過去と未来のない古代人の 主観的時間感覚から、ニュートン、アインシュタインの時間の定義まで、時間の概念の変 化の歴史をまとめ上げる。第2章では時間の測定方法を古代の暦から最新の原子時計まで 説明してくれる。振子時計とセシウム原子時計との1秒間の狂いの比は1億分の1になっ ているという。第3章は体内時計を中心とした生物学の世界の時間の概念に関するもので、 類書も多いが、転落事故の際の5秒間に一生の思い出が走るなどの時間感覚の挿話が面白 い。老化に関する遺伝暗号限定説と体細胞突然変異説との関連で時間感覚のメカニズムを 論じている。第4章では地質学者による地球年代の測定法が解説されている。第5章には 本書の最も特徴的な立場が示されている。タイムトラベルの可能性を大脳のタイムマシン やオカルトの世界も含めて考察する。歴史的過去の世界に迷い込んだ人の体験、競馬の勝 馬を予見する能力がある人が大もうけをした実話など君達は信じることが出来るだろうか。 タイムトラベルには「時と場所を越えた直感を呼ぶ右脳の意識能力」がカギだと言う。
時間も持て余した時、時間に関して勉強し、タイムトラベルの夢を追うことで、読書の 楽しさを味わってもらえればと思う。