ゾウの時間ネズミの時間
(中公新書)1992
本川達雄 著
(自然科学)
[書誌所在情報]
[みなさんの感想]
実森正子(文学部)
動物のサイズが違うと、行動の機敏さや寿命や体内現象が起こる時間が変ってくる。大
きな動物ほど何をするにも時間がかかる。食事量、生息密度、行動範囲、運動速度もサイ
ズによって決まってくる。ところが、ゾウもネズミも一生の間に心臓は約20億回打つ。心
臓の拍動を時間として考えれば、ゾウもネズミも同じ長さだけ生きて死ぬことになる。動
物が変れば時間の流れる速度も変るのである。本書はサイズの視点から動物をみた生物学
入門書ではあるが、人間の理解についても多くの示唆を与えてくれる。著者が述べている
ように、「人間がおのれのサイズを知る、これは人間にとって、もっとも基本的な教養で
あろう」。生物のみならず人間についての格好の教養書である
culis@ll.chiba-u.ac.jp Jun. 1995