本館では、18ー20世紀初頭に刊行された児童文学のオリジナル版を、13点購入致しました。 1796年の「ジャックと巨人の物語」から1928年の「プー横町にたった家」 など、初版本も多く貴重なコレクションです。 コレクション室に配架されています。##[Biography]は、人物情報データベースBRC:Biography Resource Center(学内限定)の該当ページへリンクされています。
プロテスタントの聖職者でもあるチャールズ・キングスレイ[Biography](1819-1875)によって書かれたこの作品は、煙突掃除のトムが、ある日水に落ちて「水の子」となり、二人の女神の教えでやがて人に尽くし魂の救いを得るまでのストーリー。この2年後に描かれた「不思議の国のアリス」とともに、イギリスのファンタジーの先駆となる、エポックメイキングな作品。
この石版画のオリジナルは、公に出版されることを目的としたものではなく、娘から父へのバースデイプレゼントとして作られたものであった。アメリカ政府高官であったその父親は、鑑定家をもうならせたその作品のすばらしさに動かされ、娘にこれを出版するよう勧め、とうとうオリジナル同様の石版画で出版することに至ったという。 16枚のカラーの石版画を収録。
ランドルフ・コルデコット[Biography](1846-1886)は、ウォルター・クレイン(1845-1915)、ケイト・グリーナウェイ(1846-1901)とともに19世紀イギリスを代表する挿し絵画家である。”するどい美的感覚と躍動的な精神とユーモアが一体となり、事物や人や動物を的確にとらえた絵が動いていて、絵そのものが物語である”(1)といわれている。アメリカの優れた絵本作家に送られる”コルデコット賞”(モーリス・ゼンダック等受賞)は、このランドルフ・コルデコットの業績に対し制定されたものである。
上記と同じくコルデコット・ピクチャー・ブックの一冊。
コルデコットの作品では他に、”復刻・マザーグースの世界”に、「3人の陽気な狩人」(復刻版)を、”復刻世界の絵本館 オズボーン・コレクション”に、「ジョン・ギルピンの愉快なお話」、「森の中の子どもたち」(ともに復刻版)を所蔵している。
ジョージ・マクドナルド[Biography](1824-1905)はファンタジーを得意とするヴィクトリア朝時代の作家。代表作は「北風のうしろの国」と「王女とゴブリン」。
この「王女とカーディー少年」は「王女とゴブリン」の続編。炭鉱夫の子カーディーが、怪獣のリーナ達を味方に、都の王と王女を守るために戦い、王女
アイリーンと結婚する。
イギリス民俗学会の機関誌「フォークロー」の編集に携わっていたジョセフ・ジェイコブス[Biography](1854-1916)は、1890年イギリス民話の再話集である、この「英国のおとぎ話」を出版した。「ジャックと豆のつる」、「三匹の子豚」、名前あて話の「トム・チット・トット」などのイギリス民話が今日多くの人々に親しまれる形で保存された事については、ジェイコブスの功績がきわめて大きいといわれている。
フランスの詩人シャルル・ペロー[Biography](1628-1703)は、1697年民話を書き改めた「童話集」を出し、不朽の名声を得た。本書は、この「童話集」に載っている散文コントのひとつ。
イギリスの児童文学のなかでも長く愛読されている作品のひとつである。ジャングルで狼たちと一緒に育ったモーグリ少年の物語は子供たちを夢中にさせてきた。ラディヤード・キプリング[Biography](1865-1936)は、インドのボンベイに生まれ、イギリスで教育を受けた。この「ジャングルブック」のようにインドを舞台とした作品も多い。
ビアトリクス・ポター[Biography](1866-1943)は、「ピーター・ラビット」シリーズの著者として広く知られている。「ピーター・ラビットのお話」は、1901年に自費出版され、1902年にウォーン社より出版された。
「パイがふたつあったお話」は、彼女が生涯愛した湖水地方のソーリー村とヒルトップ農場をたたえたものである。
イディス・ネスビット[Biography](1858-1924)は、「宝さがしの子供たち」等の”バスタブル家”物語や本書「若草の祈り」で中産階級の家庭の子供たちを描く一方、「砂の妖精」等の作品により近代のファンタジーの遺産を受け継ぎ、20世紀のファンタジーを開花させたと評価されている。
中世の伝説と昔話の形式で書かれた詩と散文による恐ろしくも滑稽な物語集。挿絵のアーサー・ラッカム[Biograpphy](1867-1939)は、1900年の「グリム童話集」によって一躍名をなし、その後の数々の作品によって挿絵本黄金期を導いた。
本書は、何度もカラー版が再版されており、特にこの1907年版の口絵には、魔女が箒にまたがって飛んでいる力作が収録されている。サイン入り限定500部のうちの1冊。
20世紀の古典といわれる作品。ケネス・グレアム[Biography](1859-1932)は、幼い息子のために語り聞かせた、モグラやネズミやヒキガエルの話を発展させ、この「楽しい川べ」を書いた。幼い頃の川辺の生活の記憶を元に、自然とファンタジーの世界を見事に結合させ、ファンタジーの領域を拡大した功績は大きい。この「楽しい川べ」の中のヒキガエルの話は、A.A.ミルンによって「ヒキガエル屋敷のヒキガエル」として劇化され、いっそうポピュラーになった(2)。
「ピーターラビットのお話」「ベンジャミンバニーのお話」の続編でピーター達ウサギの兄弟の物語である。
ポターは多数のアメリカ人読者のために、アメリカに生息するシマリスとアメリカクロクマ(ツキノワグマ)を作品に登場させている。
ハリー・クラーク[Biography](1890-1931)は、アイルランドの画家でステンドグラス作家でもあった。ステンドグラス職人の父を持ち、ダブリンのメトロポリタンスクールオブアートに学んだ。作風はビアズリー(1872-1898)のスタイルを踏襲し、「アンデルセン童話集」の他には、ゲーテの「ファウスト」、ポオの「Tales of mystery and imagination」、ペローの「童話集」等に挿絵を描いている。本書「アンデルセン童話集」は、16枚のカラー図版をはじめとし、美しいイラストが豊富である。
ジョージ・マクドナルド(1824-1905)が初めて子どものために書いた小説。妖精物語と社会的・道徳的関心が結びついた児童文学史上画期的な作品である。
この物語は当時の児童向け読み物であった"Good Words for the Young"誌にアーサー・ヒューズの挿絵入りで1868年から連載されたものであった。
本書は、ジェシー・ウィルコックス・スミスの挿絵によるもの。
"The story of Tuan Mac Cairill" 以下10話が収録されている。 アーサー・ラッカム(1867-1939)の挿絵はカラーで16葉が保護紙とともに挿入されており、他にいくつか章頭等に線画がある。
ラッカムのサインが入った限定520部の内の1冊。
A.A.ミルン[Biography](1882-1956)が息子クリストファー・ロビンをモデルに、子供とぬいぐるみたちが繰り広げる冒険を描いた「くまのプーさん」の続編。挿し絵は、E.H.シェパード(1879-1976)。シェパードの描いたクリストファー・ロビンやプー熊とその仲間たちは、今日まで私たちに決定的なイメージを与え続けている。シェパードの娘メアリー・シェパードも、「メアリー・ポピンズ」のために、父親と同じ仕事をしている(3)。
イギリスのウォーン社、アメリカのマッケイ社の双方から出版された作品。アメリカ版の方が、イギリス版より白黒の線描画が12点多く入っている。
本書はイギリスのウォーン社版。
ニューヨークのThe Pierpont Morgan Libraryは、子供の本において世界でも有数のコレクションを持っている。この図書館のキューレーターであるジェラルド・ゴドリブが、その蔵書の中から選定し解説したのが本書である。3−4世紀の「イソップ物語」から1943年の「星の王子様」まで、200点以上の作品についてカラーを含む美しい図版が用いられていて、子供の本に関する文献としても重要である。